2019年02月27日 今後のTMS・ボトックス治療日程のお知らせ
平成26年6月末より、近年脳卒中後遺症の新治療として注目されているTMS治療とボツリヌス療法を当院で行っています。
あまり聞きなれない言葉ですが、TMS治療とボツリヌス療法とは一体どのような治療法なのか、紹介します。
―TMS治療―
TMS(経頭蓋磁気刺激)治療とは?
TMSとは、磁気によって大脳を刺激することにより、脳の活動性を変化させる方法です。実際の治療では、刺激装置(写真1参照)を頭の外から当てるだけなので、痛みや苦痛を伴うことなくできます。 脳卒中後遺症に対するこの治療は、すでに傷を負った脳組織を再び復活させるための治療ではなく、まだ余力のある健康な脳組織の神経活動性を促進し、脳が持っている「障害を補う力」を最大限に発揮させることを目的とします。
<写真1>
TMS治療の適応基準とは?
“TMS治療は、すべての脳卒中後遺症の患者様に対して行える治療ということではありません。上肢麻痺(※)を患われている下記の適応基準を満たしている方が対象となります。
- 年齢が16歳以上である。
- 認知機能に問題がない。
- うつ病ではない。
- 透析を行っていない。
- 頭蓋内に金属(クリップ、コイル、ステント)が入っていない。
- 全身状態が良好である。(発熱、栄養障害、重度心・肝疾患、低力低下がない。)
- 日常生活が自立しており、介助を要しない。
- 脳卒中発症後1年以上が経過している。
- 最近1年間において痙攣発作がない。
- 手首を曲げないでグーパーができること。(少なくとも親指、人差し指、中指の曲げ伸ばしができる)手を握ることができない場合は、適応外となりTMS治療の対象外となります。
ボツリヌス療法
ボツリヌス療法とは?
ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があります。そのためボツリヌストキシンを注射すると、筋肉の緊張をやわらげることができるのです。ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はございません。
ボツリヌス療法の効果とは?
ボツリヌス療法により、以下のような効果が期待されます。
- 手足の筋肉がやわらかくなり、動かしやすくなることで日常生活動作が行いやすくなります。
- 関節が固まって動きにくくなったり、変形するのを予防できます。
- 手足の筋肉のつっぱり(痙縮)をやわらげることにより、痙縮による痛みを緩和する効果が期待できます。
TMS治療、ボツリヌス療法をご希望の方へ
まずは、当院にて診察を受けて頂く必要がございます。また、診察にて適応外となる場合があることをご了承ください。診察は予約制になっておりますので、診察予約をご希望される方は下記までご連絡ください。
- TMS治療を受ける場合には、本人若しくはご家族からの「同意書」が必要となります。「医師からの説明」と「同意書説明」の内容を理解、納得したうえで、「同意書」に記名押印し、入院日までにご提出ください。
- TMSの施行に係る医療費は一切かかりません。入院料、リハビリテーション料、検査料および食事療養費につきましては、健康保険が適応されますので、ご加入の健康保険の負担割合に応じて費用がかかります。なお、全て個室をご利用いただいております。個室料は有料で、自己負担となります。
- ボツリヌス療法をご希望の方は、「高額療養費制度」をご利用されることをお勧めいたします。
外来診療時間
完全予約制となっております。
午前 | 9:00~12:00 |
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午後 | 13:00~16:00 |
2019年
1月 診察日 | 1月12日(土) |
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2月 診察日 | 2月23日(土) |
3月 診察日 | 3月23日(土) |
4月 診察日 | 4月27日(土) |
5月 診察日 | 5月25日(土) |
6月 診察日 | 診察なし |
診療担当医
- 東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座
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山田 尚基 / 担当科:リハビリテーション科
認定:日本リハビリテーション医学会 専門医
本山リハビリテーション病院:TEL 078-412-8080(代表)